オクターブ上を行く
今日はいきなり脱線する。まだ中国大陸と台湾の間の直行便が解禁されて間もない頃、初めて台湾の某航空会社(たぶん中華航空だったと思うが、確証がない)を使って、上海から台北まで行ったことがある。本当に解禁間際で上海から香港上空まで飛んで、そこからUターンして台北に向かう3時間ほどの空の旅だった訳だが、台湾人CAの話す中国語に驚愕したのを今でも覚えている。これまで大陸の中国語ばかり聞いていたので、同じ中国語でも、こんなに丁寧で優しい話し方があるのかと思ったのだ。
うちの嫁(ランラン)に限らず、中国大陸出身の女性から見ると、台湾人女性の話す中国語は「甘すぎて気持ち悪い」と感じるのだそうだ(個人的には好きだけどねw)。ランランは、日本人女性が話す日本語についても、声と同じような印象を持っているらしく、よく日本人女性の話す様子を悪意ある物まねで表現している。簡単に言うと1オクターブぐらい高い声を出して、その様子を真似したあとにこの捨て台詞を吐く。
ランラン「很恶心!」(キモッ、ぐらいの意?)
確かに、渋谷や新宿にある若い女性向けのお店の店頭を通りかかると、「いらっしゃいませーどうぞご覧くださいませー」と独特の節をつけて言っている店員さんをよく見かけるので、言いたいことは分からんでもない。
ところで、すでに話したとおり、ランランは某テイクアウト系の飲食店でアルバイトをしているのだが、当然、接客も行う。となると、日本語での対応を行う必要があり、以前は家でもよく練習していた。
ランラン「いらっしゃいませ。ご注文をどうぞ」
土井さん「○○を2つください」
ランラン「はい、○○を2つですね。500円になります」
土井さん「じゃ1000円」
ランラン「500円のお返しになります。熱いので気をつけてお持ちください」
なんてくだりなのだが、聞いていると、まさに「悪意をもって日本人の真似をしているときの1オクターブ高いモード」そのものなのだ。自分と話すときのように、通常の声で話せば良いと思うのだが、接客はこうあるべきと勝手に思い込んでいるのではないかと、少しだけ心配になる(笑)。
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