名前と生年月日が2つずつ
うちの嫁(ランラン)は80年代初頭の生まれなので、中国で言うところの「八〇后(80年代生まれの総称)」に一応該当する。その当時のお役所仕事がいい加減なせいで、多少面倒なことが起きているというのが今日の話である。話をややこしくしている原因はいくつかあるのだが、農村部では農暦(旧暦)を主に使っていること、あとは生まれた子供に戸籍上の名前とは別に幼名を付けることがあるというあたりが、我々日本人からすると理解に苦しむ状況を生んでいるようだ。
ランランが生まれた当初、当然お役所に出生届のようなものを出しに行くわけだが、その時に多少の混乱があり、ランランの身分証明書に書いてある氏名と生年月日が実際のものと一致していないのだ。ランランの実家のタンスの扉の裏のところに、このように書いてある。
「ランラン(本名) 一九八×年×月初×出生(旧暦の日付)」
もちろん姓は正しいのだが、下の名前の漢字が身分証と違う。さらに言えば音も違う。誕生日についても、該当の日付を新暦に換算した日付も、身分証の日付と1ヶ月弱のズレがある。これは出生登録の時に、名前を口頭で伝えたところ、担当者が勝手に漢字を当ててしまい、誕生日についてもなぜか担当者の間違いにより、その日付にされてしまったということらしい。
日本で同じ事が起これば、少なくとも大問題になるのだが、今から30年以上前の農村では、こんな事は普通にあったらしい。以前、上海に住んでいるときに、義母が上海にやってきたときに、同時にランランの友人を夕食に招いたことがあるのだが、こんな会話があった。
友人「なんで、お母さんはランランのことをxxxxngと呼ぶの?」
ランラン「それが本名だから」
みたいな会話を聞いた。日本人には聞き取りづらいが、実は本名の最後の文字はngで終わるのだが、身分証上はnで終わっている。中国人なら当然聞き分けられるわけで、不思議に思うのも無理はない。
・・・・当時の担当者はてかnとngを聞き分けられなかったのか?wwwww
という話になる。ただ、ランランの場合は可愛いもので、他の知人には
- 身分証の名前がダサいから自分の好きな名前に書き換えた
- 2年サバ読むために身分証の生年月日書き換えた
なんて人もいるらしい。日本的には公文書偽造になると思うのだが、一世代前の古い身分証の時は、こんな事が出来たらしい。。。現世代のICチップ入りの身分証名称ではたぶんこんな事は出来ないと思う。
こんな話を知った上で、うちの会社(上海)で一番若い子に話してみると、こんな反応をされた。
土井さん「~という話があったんだって」
九〇后「・・・あり得ない」
やっぱり都市部生まれの若い世代ではあり得ない話のようだ。
鬼子又来了(「鬼子」がまたやって来た)―中国の若者が見た元日本兵・謝罪の旅
- 作者: 劉燕紅,塩谷保芳,段躍中,太田直子,武藤倭文子
- 出版社/メーカー: 日本僑報社
- 発売日: 2003/08/01
- メディア: 単行本
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (1件) を見る