中国嫁のトリセツ

中国人の嫁をもらって気がついたことなどをツラツラと書いています。

輻射という便利な?言葉

 

日本人は、フクシマの事故以降は特に「放射能」という言葉に敏感になったと思う。原子力発電所に対していろいろな意見があるのも、それもこれも放射能のせい。しかし、放射能について中国人が語るときに「放射能(fangsheneng)」という単語を少なくとも一般人が使っているのを聞いたことはない。嫁(ランラン)を含めて、多くの中国人は「辐射(fushe)」という単語を使う。例えば、例の自身から2年ほど経った頃、中国人の同僚がこんな風に尋ねてきた。

 

中国人「现在东京的辐射怎么样?」(今の東京の放射能の影響はどんな感じ?)

 

これには、毎回東京は福島から250キロぐらい離れているし、生活している分には問題ないよと答えている。もちろん、問題があると思っている日本人も一部にいるけど、気にしていない人の方が多いとか答えるのが正しいかもしれないが、そんなことを言って、ただでさえ遠のいた中国人の足に拍車をかける必要はない。少しでも戻ってきて、日本にたくさんお金を落としてくれる方が、我々日本人にとってはありがたいと「経済的視点」ではそう思う。

 

ただ、この辐射という単語を当てるのが、何も放射能に限ったことではないので何かとややこしいというのが今日の話だ。

 

ランラン「電子レンジから辐射出てるから近づいちゃだめよ」

 

だとか、

 

ランラン「电脑(パソコン)から辐射出ている」

 

てな具合で、電磁波についても同じ単語を充てているので話がややこしい。最初の頃は、

 

土井さん「電子レンジから放射能が出るわけないじゃん」

 

などと切り返していたのだが、しばらくしていちいち訂正するのが面倒くさくなってやめた。確かに、日本語でも輻射エネルギーと言えば、電磁波の運ぶエネルギーの事を指すらしいし、輻射線と言えば放射線のことを指したりするらしい。ただ飛んでいる物質が違うということをランランが理解した上で同じ単語を使っているとは個人的には思えない。

 

日本人からすると学校の理科とかで習った知識を多少駆使すれば変だなと分かりそうな迷信じみたことでも、真顔で信じていたりする中国人に遭遇した事は1度や2度ではない。これが、うちの会社の中国支社で働いているような、超名門大学で高度な教育を受けた人でも時々顔を出すことがあるので、本当にびっくりする。今でも覚えているが、2011年の福島事故の直後、放射能を防ぐ効果があるらしいとデマが流れて、中国のスーパーから塩がなくなった件などは、まさに良い例である。

 

 

ノイズと不要輻射のはなし (SCIENCE AND TECHNOLOGY)

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あなたの健康は家が決める

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